文科省の指導要綱が2021春に改訂された。
そこで改めて思った。
目先の席次だけを見るのは時代にそくわない。
「『相対評価』の昭和感覚」に騙されるな!
といいたい。
塾の広告で、
「〇〇中在籍■■人中■□人成績アップ」
というのがある。
一見、驚異に見えるが、実際を考えてみよう。
この人数であるが、全員が成績アップをしていないことを露呈している。
塾としては「全員成績アップ」というのが使命である。
全員達成できていないのに「広告」にするのはいかがかと思う。
次にこの「成績アップ」の伸び率である。
おそらく席次を目安にしているのだろうが、1位アップでも100人抜きでも同じ扱いである。
こう考えるとあまり意味がない。
前に他塾の塾長と席次の話をした。
席次を宣伝に使う塾のことで
「あの手の塾の『できる子』は、ほんの一部。それが宣伝に使われているだけ。できない子が、うじゃうじゃしていて月謝だけを運ぶ『お客さん』だよ。そんで、上がると〇〇位アップと大々的に広告をする。塾によっては伸び率だけで、前後の順位がかかれないとか、書かれても50位前後まで上がったようなのが多いよね。」
という話が出た。
席次の掲示は知った名前が出ているので「私も、ああなりたい」という気持ちを書き立てられる。
冷静に考えてみよう。
高校進学に必要なのは、内申点である。
内申点も文科省の指導要領の変更で今年度から3観点評価にかわった。
すでに3学期制の浦添市などでは最初の評価が出ている。
そこで「こんなはずじゃ」という評価や「評価が厳しくなっている」といった話が浦添地区の塾長数名から出ている。
昨年度までは、観点別評価は4観点だった。
ざっくり書くと、
①関心・意欲・態度→これは授業態度や課題提出などのいわゆる「平常点」
②思考・表現→これはノートやレポート、作文などの内容。
③技能→作品提出や実技テストなど。
④知識・理解→定期試験、単元テストなどの試験。
である。
当塾では④以外に関してもいろいろな点で助言をしてきた。
そのため内申点がアップしたり高い生徒さんがたくさんである。
そして、今年度から3観点となりABCに3段階で評価される。
https://www.pref.okinawa.jp/edu/naha/madoguchi/jimusho/naha/documents/00hyouka-tejunn.pdf
①知識・技能
②思考力・判断力・表現力等
③主体的に学習に取り組む態度
上記のURLの那覇教育事務所の資料によると以下のとおりである。
・各教科等の目標の達成状況を把握することを目的とした評価
〔知識・技能〕単元末におけるテストのみで評価するのではなく、毎時間の机間指導、ノート記述、適用問題からの情報も得ながら評価の妥当性を確保する。実態によって数値的な規準を設け、評価を進める。
〔思考・判断・表現〕単元末ペーパーテストだけで「A」評価を見極めることは難しい。あくまで授業中の問題発見や解決の過程において記録された情報をもとに評価することが望ましい。
〔主体的に学習に取り組む態度〕単元前半から後半にかけて高まることが考えられる。チェックリストや座席表などを用意し児童生徒の反応を書き込めるようにしておく。
とある。
また、県外などの資料や情報サイトをまとめると
① 5段階評定(成績)は、テストの点のみでは、決まらない。
② 相対的に他の生徒と比較せずに、その生徒だけを評価する。
③ 評価の観点の重要度は教科や学習単元によって違う。同じ教科でも学期ごとに変わる場合もある。学期ごとの「評価」の仕方も変わるため複雑である。
ということになる。
おそらく学校現場は混乱の嵐であろう。
琉大附属中や複数の公立中が定期試験をやめて単元テストに変更した理由もこういったことからなのだろう。