もう5年以上前のことである。
年末に「どうしても話が聞きたい」という方から連絡があった。
冬期講習もあり、仕事納めの翌日の朝から面談をすることとなったのだ。
この日は午後から帰省するため昼には事務所を出なくてはいけないのにニーズに応えるために「面談」を入れた。
ご両親と生徒さんでお見えになった。
「駐車場がわかりにくかった。」「あそこの〇〇という会社知っているからあそこの駐車場の停めればよかったな」とブツブツ言って、最初からご不満な様子だった。
着座していただき、私が資料を出すのに事務所のパーテーションの中から「しばらくお待ちください。」というと、間一髪、父親が「壁の向こうから話すのか!失礼な奴だ!」といってきたのだ。
謝罪をして面談に入るが、今度は母親が
「教材は何を使っているのですか?見せてください」と言い出した。
こちらも易々と自社のことを全部公表するわけにはいかない。
ごく一部の教材を出してお見せした。
さらに教材を出しているとシャッター音が聞こえた。一生懸命、当塾の使用教材を撮影しているのだ。
当塾の教材は塾専用教材である。
今ならフリマサイトで易々と購入できる。
教材会社に「塾」と偽って購入することもできる。
しかし、この教材は、自習に適したものではない。
なぜにこういったことをするのかいまだに理由がわからない。
父親の攻撃的な態度。
母親の写真撮影。
帰り際にお子さんの顔を見たが、気まずそうな表情だった。
結局、それ以来、連絡も来塾もなかった。
最悪な入塾面談だった。
これ以来、当塾では面談前にお電話やお問い合わせをいただいた際に基本的なことは少しお聞きするようにしている。