私の大学時代の友人に健ちゃんがいた。
学部は違ったが、いろいろなところに遊びに行ったり、良く家に泊りにもいった。
非常に明るくて、物まねとカラオケとテニスが得意。
涙もろくて、優しい。
酒は飲めないが女の子にはモテる。
よく女の子を紹介してくれた。
関わるたびに優しさが滲み出る感じがする友人だった。
ある年の今ごろ、母の日のことを話していた。
健ちゃんがお母さんと大の仲良しだった。
彼女ができると3人で出かけちゃうくらいだった。
彼女さんも健ちゃんをマザコンとは思わない。
実際にマザコンではない。
健ちゃんには母への哲学があった。
「母親ってすごいよな。あんなに苦しんで産んでくれた。本当に感謝だよ。」
という。
いつでもは母には感謝。
産んでくれてありがとう。
の精神だった。
母の日以外でもこういったことをよく言っていた。
その健ちゃんが数年前に50を前にして亡くなった。
10年の闘病を経てのことだった。
沖縄に来てから連絡が途絶えてしまったことを本当に悔やんでいる。
昨夏、健ちゃんの本家を訪問した。
偶然にも健ちゃんの叔父さんと私は知っている仲だった。
叔父さんはお母さんを呼んでくれた。
よく健ちゃんがいっていた、「母親ってすごいよな。あんなに苦しんで産んでくれた。本当に感謝だよ。」の話をした。
母の日になると健ちゃんの言葉を思い出す。
私に気づきを与えてくれて本当にありがとう。